ファスト風土化する日本 郊外化とその病理(書評)
三浦展(著) 洋泉社(2004年9月発行)
かつてのどかな風景が広がっていた地方。今日では、鉄道網や道路網が整備されつつあり、都心へのアクセスも大変便利になってきました。「世の中便利になったものだな」と楽観視していた私ですが、この本を読んで、はっとなりましたし、楽観視するだけではいけないと思いました。
著者は、地方の中心部がどこも同じような風景になっていることを指摘しています。言われてみますと、たしかに、大型のチェーン店が並んでいます。
地方の中心部の大通りに面したところには、このようなチェーン店が並んでいます。地方の独自性や特徴に欠けています。マニュアルによって経営されているお店ばかりです。
こうしたチェーン店が並んでいるところには、人々は集まってくるものの、人と人との温もりのある触れ合いを求めている訳ではないのです。できるだけ安いものを、多くの品揃えの中から選び買うために人々が集まってくるのです。
著者はこうした点を危惧しています。これまであった独自のコミュニティーが崩壊し、孤立化、孤独化、個人主義が進行しているのです。さらにおうした状況は、犯罪増加の温床になっていると著者は指摘しています。
便利になった地方。そこに、大きな問題が潜んでいたことに気づかされる1冊です。地方の理想的な未来はどのようなものなのか、それを考えるヒントになる1冊だと思います。
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